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滅(苦集滅道)

「滅」とは、1つ1つの問題や困難が解決し、その事態の本来のあり方、青写真が具現された状態を意味します。あたかも満天の星々の明滅のように、その事態に求められる目的・願いや青写真、理想が成就して燦然と輝く状態を「滅」と呼ぶのです。

「滅」とは、もともと仏教の祖師・釈尊が示した「苦集滅道」という考え方に基づく言葉です。

「苦集滅道」の「苦」とは、私たちが人生で出会う様々な問題や困難、試練を意味しています。「集」はその問題や試練を生み出している原因、「滅」はその問題や試練が解決された状態、そして「道」はその「滅」に至る方法をそれぞれ意味しています。

こうした「苦集滅道」の考え方に基づきながらも、「魂の学」における「滅」とは、単に「苦集」を取り除いた状態──問題を解決し、負の現実を解消した状態を意味するものではありません。「魂の学」では、何よりも、私たちがその時と場に求める目的・願いや青写真、理想の成就という意味を大切にしているのです。

つまり、「滅」とは、それらが成就して燦然と輝く状態であるということです。あたかも満天の星々の明滅のように、星々の光が降り注ぐめざすべき地点を、「滅」という文字が体現しているのです。

そして、物事の問題解決や創造に臨むとき、「滅」を描くことは極めて重要です。 「滅」をあたかも実在するかのようにありありと描くことによって、私たちは向かうべき青写真を確かにし、そこに向かう力をみなぎらせることができます。「滅」を描くことは、あらゆる物事の最善手なのです。

出 典
月刊『G.』2018年2月号「時の羅針盤167 『滅』を描く」
月刊『G.』2016年10月号「時の羅針盤151 ゴールを描く」
『ディスカバリー』p.269〜274「ウイズダム――青写真アクセスのための智慧」