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快感原則(快苦の振動)

私たち人間は、ごく自然に現実や世界を「快」と「苦」に分けて受けとめる「快感原則」を抱いています。それによって、私たちは、訪れる事態や出来事に対して一喜一憂する「快苦の振動」を起こします。

私たちは、生まれたときから、肉体を抱くがゆえに、心地よい「快」を自分に引き寄せ、「苦」を遠ざけようとする原則=「快感原則」に従って生き始めます。それは、「快=生きやすさ」であり、「苦=生きにくさ」であり、良し悪しを超えて、生存に不可欠な生命原則。誰もが例外なく、生きる尺度にしてしまうものなのです。

この「快感原則」によって、私たちは人生に訪れるものすべてを「快」と「苦」の2つのグループに分け、マルかバツかのレッテルを貼ってゆきます。「快」のグループは、得になるものや成功、価値のあるもの、「苦」のグループは、損になるものや失敗、価値のないものなどです。

そうして、快苦に敏感に反応して心がアップダウンの振動を繰り返し、「快」の刺激が来れば喜んで舞い上がり、「苦」の刺激には萎縮して落ち込むという「快苦の振動」を起こしてゆきます。

この状態にあるとき、私たちは訪れる快苦の刺激によって一喜一憂し、自分で意識している以上に、快苦に翻弄され、支配されています。訪れる出来事を、「快」か「苦」のどちらかでしか捉えられないのです。すると、私たちの心は常に揺れ動き、目の前の事態を正確に読み、洞察することができず、そこから最善の道を見出すことができなくなってしまうのです。

出 典
月刊『G.』2017年5月号「『魂の学』序説101 運命の法則Ⅲ」
月刊『G.』2018年1月号「『魂の学』序説109 カオス発想術Ⅰ」
月刊『G.』2018年3月号「『魂の学』序説111 カオス発想術Ⅲ」
『魂主義という生き方』p.93〜104
など