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ニヒリズム

「ニヒリズム」とは、虚無主義と訳され、ものごとの意義や価値は存在しないと考える立場を意味します。「魂の学」では、目に見えるものだけを信じる唯物的な人間観・世界観に染まった現代社会において、こうした「ニヒリズム」が増幅されると考えます。

目に見えるものだけを信じるという唯物的な人間観・世界観に染まった現代社会を生きる私たちの心は、「ニヒリズム」に侵食されています。そして、「ニヒリズム」によって、人生の願いや目的は熱を失い、人との絆は分断されてしまいがちです。

なぜなら、唯物的な人間観・世界観のもとでは、出会いや出来事はすべて「偶然・たまたま」のものであり、特別な意味もないものとされ、自分自身の存在すら「偶然・たまたま生まれてきたもの」となってしまうからです。その結果、私たちと世界を結ぶ確かなものは何もなくなり、世界は私たちと何の関係もなく、勝手に動いていることになります。

「ニヒリズム」のもとでは、自分自身がこの世界に生まれ、生きている意味を見出すことはできません。人生の中で出会う人や出来事にも確かな結びつきを感じられず、自分事であるはずの現実もどこか他人事で、何となく人生の時を費すことになるのです。

「ニヒリズム」を押しとどめるためには、すべての人生の出来事に「意味ある必然」があり、私たちの人生には果たすべき使命があると受けとめることが重要です。多くの人たちがそのように生き始めるとき、人類は「ニヒリズム」を超えて、新しい歴史のスタートラインに立つことになるのです。

出 典
『2つの扉』第5章
『最高の人生のつくり方』第1章
月刊『G.』2022年12月号「時の羅針盤223 ニヒリズムと闘う」p.6~9