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主導権の奪回

「主導権の奪回」とは、人生に訪れる事態や試練に対して、主体的に生きる力を取り戻すことです。「主導権の奪回」を果たすことが、事態を切り開き、よりよい未来をつくる一歩となるのです。

一般的に「主導権」と言うと、「ものごとの大勢を胸先三寸(むなさきさんずん)で決められること」と考えられています。たとえば、取引など仕事の場であれば、強い立場でものが言える側が「主導権」を持っていることであり、立場が上で力が強い方に「主導権」があり、弱い方にはないと考えられています。もしそれが本当に「主導権」ということならば、人生の「主導権」を握ることができるのは、ほんの一握りの人間だけになってしまいます。

本当の「主導権」とは、「ものごとを主体的に生きる力」のことです。私たちが主体的に事態に向き合い、人生の選択を行おうとするとき、私たちは「主導権の奪回」を果たすことができるのです。

「主導権の奪回」を果たすためには、人生に訪れる問題や試練に対し、「こうなってしまった」ではなく、自分が「こうさせてしまった」と捉える必要があります。

「こうさせてしまった」と事態を捉え直すことは、実際に「どのようにさせてしまったのか」「もし自分が違う関わり方や影響を与えていたら、事態はどうなっていただろうか」と考えることでもあり、さらに「今、自分ができることは何か」を考えて行動することでもあります。そのように生きることこそが、自分の主導権を奪回して主体的に生きる第一歩となるのです。

出 典
『2つの扉』第8章
『魂主義という生き方』
『Calling 試練は呼びかける』
月刊『G.』2019年8月号「時の羅針盤185 主導権を見つめる」p.6~9