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うまく子育てができずに、悩んでいます

7歳の息子と5歳の娘の母親です。息子は発達障害でマイペース。何度呼んでも反応せず、言葉の発達も遅いので、何を思っているのかわからず、なかなか思うようにコミュニケーションができません。娘は、私がいないと大きな声で泣くので家事が進まず、毎日イライラ……。テレビを見せておけば静かになるのですが、それもどうかと思っています。何かいい子育ての仕方はあるのでしょうか?

34歳女性・主婦

人間の心のことを学び、子どもたちの中にある可能性を信じていったとき、子どもたちと深く関われるようになりました

森田美佐子さん
幼稚園経営 78歳
大阪府

私は大阪で、2つの幼稚園を経営しています。私自身、3人の子どもを育ててきた専業主婦でしたが、園を経営していた夫に早くに先立たれ、突然、園長を担うことになりました。かつては様々な個性を持った子どもたちとどう関わったらいいのかわからず、何か問題が起こるたびに「もう辞めよう、もう辞めよう」と思っていたほどです。

しかし、「魂の学」を実践することで、子どもたちの心の育み方を学び、子どもたちと深く関われるようになれました。私の経験が、何かしらのヒントになれば幸いです。


今、日本の幼稚園は、日々、様々な問題に直面しています。多動性障害、自閉症でコミュニケーションがうまく取れない園児のことや、幼稚園での「学級崩壊」も、近年、社会的な問題になっています。


かつて私が、初めてGLAの「かけ橋セミナー」に参加したときのことです。このセミナーは、毎年夏に、親と子(小学生~高校生)を対象に八ヶ岳の山麓で行われているのですが、そこで高橋先生が子どもたちにされる講義をお聴きして、大変感銘を受けたんです。

私はそれまで「子どもは子ども」と、限定的な見方をしていました。しかし、高橋先生は、1人ひとりの中に未来を開く願いが眠っていることを伝え、その願いのためには何よりも心を育むことが大切だと、真正面から「魂の学」を子どもたちにお話しされたんです。


子どもたちの心の奥に眠る可能性を次々と引き出される先生と、その先生に応えて、本心を吐露して願いや後悔を語る子どもたち――。私は強い衝撃を受け、心を育み、内なる願いを引き出す教育に憧れました。


けれども、「心を育む幼稚園にしたい」と願っても、「魂の学」のことを知らない幼稚園の先生方に、それをどう伝えたらよいのか――。3歳の園児たちは、「心」のことなど理解できるのだろうか――。何から手をつけたらよいのか、最初は見当もつきませんでした。

そんなある日、高橋先生の著書『チャレンジ』に描かれている「光の心」と「闇の心」のイラストをそれぞれの教室に置き、事あるごとにそのお話をしてみることにしました。すると、私たち教諭が想像もしていなかった発見が、子どもたちに起こり始めたんです。

例えば、家でも泣いたり、暴れたりしていたお子さんを持つお母さん。「どうやって子育てしたらいいか、わからない」と悩んでいたんですが、ある日、家でお掃除をしているとき、そのお子さんが「ありがとう。ピカピカな心やから、お掃除できるんだよ」と話しかけてきて、びっくりしたそうです。

また、園内で泣いている友だちがいるとき、今までだったら「先生、泣いているよ」と伝えるだけだった子が、「どうしたの?」と自分から友だちに声をかけるようになったということもありました。

子どもたちの可能性を信じ、その可能性を引き出す関わりを、幼稚園全体で実践する中で、今では、心が育まれる子どもたちが増えています。この「光の心」と「闇の心」を、あんなに幼い子どもたちでも、ちゃんと理解しているんですよね!


亡き夫から引き継いだときには不安しかなく、逃げたい気持ちばかりでしたが、今では子どもたちの笑顔を見るのがうれしくてなりません。「この仕事をしていて、本当によかった!」と思える自分が、とても不思議です。子どもたちには「光の心」を育んでもらえたらと、心から祈っています。そして、世の中のために役に立つ、そんな1人ひとりになってほしいと、いつも願っています。これからも子どもたちの可能性を信じて、一緒に心を育んでゆきたいと思っています。

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