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子どもがまったく言うことを聞きません

中学2年生の息子は、何を言っても反発してきます。息子のことを想って言っているのに、怒るか無視するかのどちらかで、言うことをまったくききません。昔はあんなにかわいかったのに、いったいどうしたらいいのでしょうか?

46歳女性・会社員

「よかれ」と思っていたことが押しつけになり、子どもの反発を生んでいたことを発見。子どもの気持ちを受けとめてゆくうちに、関わりが変わってゆきました

山岸道子さん
主婦
67歳 長野県

私はかつて息子と衝突を繰り返し、もう修復不可能と思うほど、関わりがねじれていました。実は、息子は急逝した義姉が残した子どもで、私とは血のつながりがありません。だからこそ、大切に育ててきたつもりだったのに、「どうしてこうなってしまったんだろう?」と、もがき苦しむ日々でした。そんな私が「魂の学」を学ぶ中、何とその原因が自分にあることがわかったんです。その後、息子との関わりは大きく変わり、血のつながりを超えた絆を結ぶことができました。

私の体験が、お子さんとの関わりを変えるヒントになれば幸いです。


私には、3人の息子がいます。長男は、私の実の子どもではありません。

夫と結婚して1年目、夫の姉が男の子を出産して3日後に急逝。「赤ちゃんは施設に預けるしかない」という話になりました。ところが、病院で赤ちゃんと目が合った瞬間、何とも言えないその愛らしさに、心にピカーっと信号が送られてきたように感じました。そして、「この子を施設に預けるわけにはいかない」「できるなら自分が育てたい」と願い、夫と共にこの赤ちゃんを育てることを決意しました。

「とにかくちゃんと育てなくてはならない」――。勉強もスポーツもできる子に育てることが、ゆるがせにはできない目標でした。

身なりもちゃんとさせ、学習塾や高校も私が決めたところに行かせました。しかし、次第に長男は私に反発するようになり、高校生になる頃には、ほとんど会話もなくなり、些細なことで衝突を繰り返すようになっていたのです。私は、「私は一生懸命やっている。それなのに責めてくるこの子が悪い。血がつながらないから、私の気持ちがわからないんだ」と結論づけていました。

ついに長男は、「東京に出たい」と、東京の大学に進学――。「大切に育ててきたつもりだった。それなのに……」、そう感じました。 この、どうにもならない長男との関わりを変えたのは、「魂の学」でした。


「魂の学」を学ぶ中、問題の原因が、自分の心の傾きにあることがわかってきたのです。大切に想うあまり、長男の意向を聞く前に、何でも「私の言う通りにしなさい」と一方的に私の考えを押しつけてきた……。「私の支配的な関わりが長男の反発を生んでいたんだ。何てことをしてきたんだろう」――。この心と現実のつながりの発見は、決定的でした。

そこから、「長男の気持ちをまずは受けとめよう」と、新たな関わりに挑戦してゆきました。そして、東京の長男に電話をして、涙ながらにこれまでの関わりを心から詫びることができたのです。

その後、次第に長男の拒絶的な態度は消え、会話ができるようになってゆきました。それだけではなく、長男は一緒に「魂の学」を学ぶようになったのです。後から聞いた話では、この頃、息子は、「あんなに自分に原因を見なかったお母さんが、どうしてここまで急激に変わることができたんだろう? 僕も『魂の学』を学んでみたい」と思ったとのことでした。


その後、ずっと秘密にしてきた生い立ちの事実を長男に伝える日が訪れました。海外旅行の準備で、息子は戸籍謄本が必要になったのです。夫と2人、戸籍謄本を手に、長男のいる東京のアパートまで車で向かいました。道すがら、「必ず受けとめてくれる」という気持ちとともに、不安も頭をもたげました。「お母さんが僕を厳しく育てたのは、血がつながっていなかったからなんだね」。そう言ってアパートを飛び出してゆく息子の姿が浮かんだのです。

夫と共に車中で高橋先生の著書『祈りのみち』を読み、心を定めて部屋を訪ねました。

長男は静かに話を聞き、事実を受けとめてくれました。そして、ほほえんで、亡き実母への想いをこう語ったのです。「父さん、母さん、ありがとう……。また、感謝する人が1人増えたね」と――。

こうして、長男と血のつながりを超えた絆を結ぶことができたのです。

大切な子どもだからこそ、気持ちが通じ合えないのはとてもつらいものです。

私の場合は、心と現実のつながりを見出すことによって、息子との関係が次第に変わってゆきました。 ぜひ、お子さんへのご自身の気持ちを見つめ直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

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