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高橋佳子先生の新著『自分を知る力――「暗示の帽子」の謎を解く』が発刊!

いよいよ高橋佳子先生の新著『自分を知る力――「暗示の帽子」の謎を解く』が発刊されました。
本書は、誰もが帽子をかぶっている不思議な「帽子の国」の物語から始まります。
そして、帽子には、ある秘密がありました。それをかぶると、誰もが帽子が暗示する考えや行動に従ってしまうのです。そんな「帽子の国」は、不可解な人々であふれ、不可解な出来事が次々に起こります――。
いったん読み始めたら、その世界に引き込まれてしまい、気がつくと、実は、その「帽子の国」は、私たちが生きている世界そのものであることに気がつくのです。
先生は、そこから「暗示の帽子」を脱いで、本当の自分を知ることへと読者を誘われます。「最初の自分」(偽我)→「次の自分」(善我)→「最終形の自分」(真我)という道ゆきの中で、人間には4つの心のタイプがあることを示し、「自己診断チャート」で1人ひとりが自らのタイプを知り、その弱点(闇)を超えて、素晴らしい可能性(光)を引き出すことへと導いてゆかれるのです。まさに自分を知ることは人生最強の力――。
実証的・論理的な記述の中から、理屈を超えた魂の存在、その魂が抱く無限の可能性が胸に迫ってきます。ぜひご一読ください!

目次

プロローグ──「帽子の国」を越えて 

第1章 それは本当にあなたの考えなのか 

第2章 心のブラックボックスを解読する

第3章 受発色のタイプを診断する

第4章 苦・衰退タイプ──あきらめに縛られた卑下者からひたむきな求道者へ

第5章 苦・暴流タイプ──恨みの強い被害者から勇気ある正義漢へ

第6章 快・衰退タイプ──自己満足の幸福者から心優しい癒やし手へ

第7章 快・暴流タイプ──独りよがりの自信家から飽くなき挑戦者へ

第8章 人生の考古学・考現学・未来学──「自分を知る力」を最大化する方法 

巻末解説「自己診断チャート」について

プロローグより──────────(一部抜粋)

不思議な「帽子の国」

それは、どの地図にも載っていない、ある国のお話──。
人々は皆、奇妙な格好で毎日を過ごしていた。
若者も老人も、男性も女性も、誰もが帽子をかぶっていたのである。
仕事のときも、昼食のときも、電車に乗っている間も、買い物をしている時間も、風呂に入るときでさえ、帽子をかぶったまま──。
それでも、自分が奇妙だと思う人はいなかった。
人と帽子は1つ。どんな人もいつも帽子をかぶっている。何の不思議もない。
でも、どうして帽子をかぶっているのか、いつから帽子をかぶり始めたのか、誰も知らなかった。
そして、帽子には、ある秘密があった。
それをかぶると、誰もが帽子が暗示する考えや行動に従ってしまうのである。
「これはこう考えるんだ」
「こういうときは黙って見ているに越したことはない」
「そっちよりこっちの方が価値があるぞ」
つまりそれは、「暗示の帽子」──。
人々は何の疑問もなく、暗示された生き方を繰り返していたのだ。

ある男性は、街を歩いていると、周囲の人々が自分を羨望のまなざしで見ていることに気づく。
すれ違う人が皆、自分の方を振り返る。
街は自分の噂でもちきりさ──。
知らず知らずのうちに、そんな気分が彼の心を満たしていた。
昼時、通りのレストランには、長い行列ができている。
そんなとき、「暗示の帽子」はこう囁く。
「お前はヒーローだ。だから何をやったって許される。わざわざ、あの長い行列に並ぶ必要なんてない」
そう促された彼は、当然のように列の先頭に割り込む。周りから大ブーイング。しかしその声は、彼には届かない。
やがて男は、街の鼻つまみ者になってゆく
それでも帽子はこう語りかける。
「みんな恐れ多くて、お前に声をかけられないんだ。お前は普通の人とは違う、ヒーローなんだから」

ある行政官は、毎朝、こう思って家を出る。
「今日こそ、あの仕事に決着をつけなければ──」
しかし、役所に向かう道すがら、帽子は彼にこう囁きかける。
「目の前の彼女、これからお前のことを笑うぞ。お前の風体を面白がっているんだ」
土地に不慣れだったその娘は、道を尋ねようと、彼に微笑みかける。
しかし、男は、逃げるようにしてその場から立ち去ってしまう。
「あの群衆、お前の方を見ているだろう。皆、お前の仕事ぶりの不甲斐なさを噂しているんだ」
「役所の仲間も同じさ。お前のことを馬鹿にしている。お前の意見を真剣に聞いてくれる人など1人もいない」
散々そう囁かれた男は、役所に着く頃にはすっかり意気消沈し、仕事どころではなくなってしまっていた。
彼は、人間の中にあるすべての意欲を吸い取ってしまう帽子をかぶっていたのだ。

ある男性は、孤児として育った。
彼の不憫に心を痛める人がいた。その人は、いつも彼に寄り添い、いつしか彼の唯一の友人になっていった。
ところが、孤児だった彼は、「世界は悪意に満ちている」という暗示をかける帽子をかぶっていたのである。
「親切には必ず裏がある」
帽子は、彼の耳元でそう囁き続けた。
あるとき、2人の間に、ちょっとした誤解が生まれた。
すかさず帽子は囁く。「だから言っただろう……」
すると彼は、その人に罵声を浴びせ、縁を切ってしまったのである。
独りになった彼は、その心に取り返しのつかない痛手を負った。
それ以来、彼は、毎日のように街に出て喧嘩を繰り返すようになった。
相手を傷つけ、自分も傷つく。
それでも、なぜ、そんなことを繰り返しているのか、彼にはわからない。

街には、不可解な人たちがあふれている。
傍若無人の鼻つまみ者。
仕事をしない行政官。
毎日喧嘩に明け暮れる青年。
そればかりではない。
熱病にかかったようにお金儲けに邁進する高利貸し。
いつも周りにペコペコしている行商人。
人と話をしない老婆。
周りの意見によってカメレオンのように態度が変わる政治家。
そして、そこで繰り広げられる不可解な事件の数々……。
それを望んでいる人はいないのに、なぜか、知らず知らずのうちに街はそうなってしまう。
誰も、「暗示の帽子」の秘密を知らない。
自分たちが、暗示をかけられていることに気づかない。
そして、誰1人として、その帽子を脱いでみようと考える住人はいないのである。

(以下略)

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徳田安春(群星沖縄臨床研修センター長、NHK総合診療医ドクターG)

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マイケル・デンハム(プリマス大学名誉教授、脳科学・人工知能[AI]研究者)