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ミサミスの太陽
作・高橋佳子先生

インカ帝国滅亡前夜、そして太平洋戦争に突入してゆく日本──。2つの時を生きた1人の魂の転生の物語。

【物語の紹介】
<1939年~1947年 日本>

1910年代後半、第一次世界大戦の勃発によって、日本は空前の好景気・大正バブルの時代を迎えた。成金と呼ばれる人々が出現し、各地にダンスホールが生まれ、大衆はジャズの調べに酔いしれた。
しかし、大戦の終結とともにバブルは崩壊。日本は長い不況の時代に入ってゆく。追い打ちをかけるように関東大震災や世界恐慌が発生。日本は海外の権益拡大に活路を見出すべく、中国大陸に軍を進め、ついに太平洋戦争に突入してゆく。

物語の主人公・浜村忠之は、ことあるごとに「陸軍大将になれ」と語った父親の期待に応えようと、エリート軍人の道を歩んでいた。
やがて戦地に赴き、とんとん拍子で出世を遂げてゆく浜村──。しかしその陰で、なぜか次第に自分の任務に疑問が募ってゆくのだった。
そんなある日、浜村は、フィリピンのミサミスで不思議な体験をする。そこで彼が目にしたものとは──。そのとき彼がとった行動とは──。

<1532年~1533年 インカ帝国>
1532年、南米の地を治めるインカ帝国の皇帝に、先帝の庶子アタワルパが即位。嫡子との戦いに勝利したのだった。
ちょうどその頃、黄金郷発見の野望に燃えるフランシスコ・ピサロがスペイン軍を率いて帝国に侵入。その数わずか150人あまり。しかし彼らは、馬や鉄砲などインカの人々が見たこともない戦力を携えていた。さらにピサロは、インカの創造神「ビラコチャ」の使者を自称して人心の攪乱に成功。帝国はあっけなく崩壊したのだった。

地方の没落貴族の出身でありながら、皇帝アタワルパの家臣として頭角を現しつつあったティコクは、スペイン軍の侵入に強い危機感を抱く。しかし、「相手は恐るるに足らず」とする皇帝や有力貴族に異を唱えることはなかった。出世に響くことを恐れたのだ。
やがて皇帝は囚われの身となり、帝国は滅亡。ティコクもまた、保身をはかって本心を生きなかった慚愧を胸に自らの処刑に臨む。そしてその魂は──。

ルネサンスアートシアター 2012年度作品
定価(本体5,714円+税)*約155分
★★ 研鑽用のみならず、一般の方にもぜひ御覧いただきたい内容

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