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駒形屋盂蘭盆会奇譚
作・高橋佳子先生

江戸は浅草、「駒形屋」に起こった世にも不思議な物語

【物語の紹介】
時は幕末。黒船の来航により、200年以上にわたって続いた鎖国体制が崩れ、江戸幕府の威信は揺らぎ始めていた。外様大名までもが幕府に意見する状態に危機感を抱いた、時の大老・井伊直弼は、幕閣の力を立て直すため、アメリカからの洋式銃の輸入を企てた。
安政5年(1858年)頃の8月13日(旧暦の7月13日)、お盆の入り。井伊大老の家来・長野主膳は、江戸一番の豪商「駒形屋」を営む伝左衛門に、この洋式銃輸入の商談をもちかける。大番頭・又兵衛は、この取り引きが国の危機を招くのではと懸念を表すが、またとない儲け話に、伝左衛門は大いに意欲を示す――。その上、自らに意見した又兵衛を解雇し、店はお盆も返上して仕事に取りかかろうとしていた。そこに、伝左衛門の妹・お優がやって来て、嫁ぎ先の出羽屋で一緒に両親を供養しようと誘うが、伝左衛門はまったく聞く耳を持たない。
その夜――灯火が奇妙に揺らめき始め、亡くなったはずの父親・淀川屋鉄五郎が現れ、かつては大坂一の豪商と言われながらも、幕府から全財産を没収され、孤独のうちに人生を終えた自分と同じ運命を、伝左衛門も辿ることになると諭す。そして、これから過去・現在・未来の3つのお盆を見せる遣いが訪れると伝え、姿を消した。
そして翌日。鉄五郎の話を、ただの夢だと思っていた伝左衛門が見たものは……。
身に起こる不思議な出来事の数々に伝左衛門は何を想い、一世一代の大商いに向かってゆくのか——。駒形屋伝左衛門と日本の運命を変える4日間が、今始まる。

ルネサンスアートシアター 2010年度作品
定価(本体5,714円+税)*約126分
★★ 研鑽用のみならず、一般の方にもぜひ御覧いただきたい内容

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