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時の羅針盤・202

時の羅針盤・202

新しい道を開く

高橋佳子


史上初めての問題

新年明けましておめでとうございます。

コロナ禍に翻弄された昨年から、新しい扉を開いて始まった今年2021年が、未曾有の試練の中にあるからこそ、私たちの歩みが一層、人生の核心に近づく年となることを心より願っております。

これまで、世界を変えるほどの危機や激動の時代が繰り返されても、今回のコロナ禍ほど、広範囲に、また同時的に問題となったことはありません。

世界中どこにいても、アメリカであろうと、ヨーロッパであろうと、南米、中南米、東アジア、東南アジア、アフリカでも、どのようなコミュニティに属していようと、「コロナ」という言葉を聞けば、誰もが同時に、同じ問題意識を持つことができる。昨年の混乱を思い、その無秩序が立て直されることを望む──。

そのようなことは、人類史上、かつて存在しなかったことです。

つまり、それだけのことが起こっているのが現在──。

起こり得ないことが起こってしまった「まさかの時代」に、私たちは身を置いているのです。

それは、逆に言えば、コロナ禍が私たち人間を揺り起こす契機でもあるということでしょう。快苦の振動を起こす、これまで通りの生き方、世界との向き合い方ではどうすることもできない今、新たな目覚めを促す呼びかけに、人類の意識が応えるチャンスでもあるということではないでしょうか。

ゴールデンパスを開く

今月発刊させていただく『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』は、まさに、このような「まさかの時代」を生きるための何よりもの手立てとなることを志すものです。

この本の骨格をつくっているのは、「魂の学」(*1)の「ウイズダム」(*2)の考え方です。それを「カオス発想術」「青写真の感覚」、そして「受発色(*3)転換」の神理で紐解いています。

この3つの神理を深く理解し、適切に結びつけながら、具体的に歩むことができるなら、私たちは必ず「最善の道」に近づくことができると申し上げることができます。

「カオス発想術」は、直面する出来事や事態を、まだ形もなく輪郭もない、結果も結論も出ていない状態と受けとめることです。

生命体のように呼吸し、雷鳴とどろく嵐も、雲1つない快晴も、風が吹きすさぶ雪模様も、すべて内包しているのがカオスの実態です。

つまり、それだけエネルギーに満ち、変化し続けている──。そのエネルギーは私たち自身と直結し、私たちと連動して変化するものです。

目の前の事態を、そのようなエネルギーに満ち、変化の幅を含んだカオスとして受けとめるのが、私たちの「出発地」です。

「青写真の感覚」は、私たちがめざすべき現実の形を導くものです。青写真は、到達すべき目的地であり、「ウイズダム」の「滅」(願い)にあたります。どんな事態にも、苦境でも順境でも、そこには本来そうなるべき形、青写真が隠れているものです。青写真の感覚とは、「青写真は必ずある」と信じ、それを尋ねて、目的地を見出すことができる感覚です。

「受発色転換」については、多くの方がすでに取り組まれてきたことです。受信→発信→現実のサイクルを回すことで、私たち人間は、カオスに触れて、そのカオスを不可逆的に結晶化させます。

これまで受発色転換で、私たちが基本的に取り上げてきた転換の方法は、「煩悩地図」(*4)に基づいて、暗転の受発色を光転の受発色に転換してゆくことです。本書でも、それが基本的な転換の姿勢となります。

神理の使い手となるとき

目の前の現実をカオスとして受けとめ、そこに託された青写真を見出して、その青写真を目的地として描く。そして、自らの受発色の転換を、カオスを目的地に運ぶ推進力とする──。

これらの神理と一体となって、その本当の使い手となるとき、私たちの前には、どう考えてもあるとは思えなかった新しい道が開きます。私たちを生かし、支える宇宙全体から、大いなる存在から、「最善の道」としてもたらされるのです。

2020.12.22

〈編集部註〉

*1 「魂の学」

「魂の学」とは、見える次元と見えない次元を1つにつないで人間の生き方を求めてゆく理論と実践の体系です。物質的な次元を扱う科学を代表とする「現象の学」に対して、物質的な次元と、それを超える、見えない「心」と「魂」の次元も合わせて包括的に扱おうとするのが「魂の学」です。それは、私自身の人間の探究と多くの方々の人生の歩みから見出された法則であり、「魂・心・現実」に対する全体的なまなざしによって、人間を見つめ、あらゆるものごとに応えてゆくことを願うものです。
(ご著書『最高の人生のつくり方』50ページより引用)

*2 ウイズダム(因縁果報ウイズダム)

高橋先生によって考案された「因縁果報ウイズダム」は、因縁果報のまなざしによって様々な問題を解決し、新たな未来を創造するための智慧であり、メソッド(方法)です。まず、因(自分)に問題を引き寄せ、その因と縁(条件)が交わってどのように果報(問題)を生んでいるのか、その暗転循環のエネルギーの流れをつかみます。そして、因を変革し、縁(同志・原則・システム)を転換し整えてゆくことによって、次第に暗転へ向かうエネルギーは止まり、光転循環を生むエネルギーが勢いを増し、解決と創造への道をつけてゆくことができるようになります。

*3 受発色

「受」とは、私たちが現実(外界)に生じた出来事を心(内界)に受けとめる受信のことで、「発」は、受信を受けて外界に関わってゆく発信のこと。「色」は仏教の言葉で、目に見える現実──人のことも含めて事件や出来事、外界のことを言います。人間は、生きている限り、この「受発色」のトライアングル(三角形)を回し続け、たとえ無自覚であったとしても現実を生み出し続けているのです。
(『神理の言葉2012』66〜67ページより一部抜粋・要約)

*4 煩悩地図

「煩悩」とは、もともと仏教の言葉で、人々の心身を煩わし、悩ませる一切の妄念のことを指します。「煩悩地図」では、「煩悩」のことを、人生を暗転させる「4つの煩悩」の傾向として捉えます。「4つの煩悩」とは、人間の「怒り」や「不満」に象徴される「苦・暴流(被害者)」の傾向、人間の中にある「怠惰」や人に対する盲目的な「依存心」に象徴される「快・衰退(幸福者)」の傾向、「恐怖」や「否定的想念」に象徴される「苦・衰退(卑下者)」の傾向、そして「欲望」や人に対する「支配」に象徴される「快・暴流(自信家)」の傾向のことです。
(ご著書『運命の方程式を解く本』105〜107ページより一部抜粋・要約)