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感情の脚本

あるがままの現実に触れることなく、思い込みや憶測によって妄想がふくらんでゆくことを「感情の脚本」と言います。それはあたかもループ(輪)のようにグルグル回り続け、架空の物語を心の中でどんどんつくりあげてゆくのです。

「感情の脚本」は、心の内側(感情と思考)で描かれ、私たちの心を制御不能にします。

脚本の描き方は、人によって異なります。自己を卑下する「苦・衰退」傾向の人は、事態から「障害のサイン」を受けとり、「もうダメだ」と悲観的になってゆき、あきらめてしまいます。被害者意識の強い「苦・暴流」の傾向の人は、事態に「悪意のサイン」を見出し、不満や怒り、敵愾心を増幅し、攻撃や争いを繰り返します。自己満足に陥りやすい「快・衰退」の傾向の人は、事態に「問題なしのサイン」を見て楽観的に受けとめ、停滞の現実を生み出します。自信過剰の「快・暴流」の傾向の人は、事態に「成功のサイン」しか見ず、独善的になってしまいます。いずれであっても、事態を光転に運ぶことはできません。

また、「感情の脚本」は、もっと深いところで、私たちの魂の弱点・未熟であるカルマと結びついています。カルマから闇のエネルギーを受け取って、ますますその脚本を増幅し、知らず知らずのうちに心と現実の関係をつくってしまい、人生に「いつもの繰り返し」や「望まざる行きどまり」を生んでしまうのです。「感情の脚本」とは、いわば人生の暗転の脚本であり、私たちはこの脚本を脱しない限り、新しい人生を歩むことはできないのです。

出 典
『自分を知る力』p.74〜77
『運命の方程式を解く本』p.110〜116
『魂の発見』p.104〜109
2005フロンティアカレッジセミナーご講演「内なるヴィジョンを具現する道」
2005こころの看護学校セミナーご講演「願いを具現する道」