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三宝出版ホームページでは、専門分野の方々による『2つの扉』応援メッセージを連載しています(6)

三宝出版のホームページのブログでは、経営・医療などの専門分野の方々による『2つの扉』応援メッセージを連載しています。詳しくは→コチラ 

今回は、医療分野の小村憲一さんのメッセージをご紹介します。

「本書が、医師としての私に新たな世界を見せてくれました」

小村憲一さん(小村肛門科医院 院長)

私は東京都内で肛門科の医院を開業しています。過日、手術を行い、完治しているにもかかわらず、違和感を訴え続ける患者さんがいました。診療時間外も電話で延々と症状を訴えてきて、スタッフも困っていました。
「この方は対応しきれない。やっぱり手術をするんじゃなかった」。私はそんな想いになりましたが、そんなとき、『2つの扉』の第6章「困難から宝を取り出す」を読み、「『これはマル』『これはバツ』と決めつけず、1つ1つの出会い、出来事に託された意味を尋ねてゆくことで、私たちは、人生を新たな次元に導くことができます」(241頁)という一文に、「これをやってみよう」と思いました。
さっそく、「この患者さんを『バツ』と決めつけず、出会いの意味を探してみよう」と心に決めました。スタッフとも話し合いながら、診療のときも電話でも、その方のお気持ちを大切に聴き続けること──つらさを訴える背景や、その人生に想いを馳せ、受けとめるようにしました。
すると不思議なことに、電話の回数がどんどん減ってゆきました。当初の訴えよりは違和感も次第に軽減されたようです。
この体験は、私自身の患者さんへの向き合い方に新しい次元を開いてくれたと思います。
医者として患部を治すことには懸命に取り組んできました。治療を通して患者さんが元気になり、歓ばれる姿を見ることは、私自身にとっても大きな歓びです。 しかし、患部を治すことだけでなく、その方の背景も受けとめ、全人的に関わりたいと願いつつ、それを十分果たせずにいました。本書を読み、実践することで、その一端を突破できたように感じます。
本書を座右の書とし、実践してゆけば、どなたにとっても新しい世界が開かれると思います。
患者さんや、後輩の医師にもお薦めしている1冊です。

できれば敬遠したい相手であっても、その方の気持ちを大切に受けとめ、出会いに託された意味を尋ねてゆくことで、新たな世界が開かれてゆく──。それは、医療現場のみならず、あらゆる場に通じる心得であり、人生を輝かせる秘訣と言えるのではないでしょうか。

(文責:三宝出版)