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三宝出版ホームページでは、専門分野の方々による『2つの扉』応援メッセージを連載しています(9)

三宝出版のホームページのブログでは、経営・医療などの専門分野の方々による『2つの扉』応援メッセージを連載しています。詳しくは→コチラ

今回は、医療分野の山田洋司さんのメッセージをご紹介します。

人生の新しいページを開きたいと願う方の必携の書です

山田洋司さん(医療法人防治会 梅ノ辻クリニック院長)

『2つの扉』を一読し、これまで学んできた「魂の学」の神髄がわかりやすくまとめられていることに驚きました。その中で、とりわけ深く心に響いたのが、次の言葉です。
「……実は自分の本当の気持ちに気づいていないことがある。建前に対する本音のことではない。……本音と建前の綱引きのもっと奥に自分でも気づかない本当の気持ちが隠れていることがある。本心という魂の声である。本心に触れたとき、本心を知ったとき、人は新たな人生の扉を開く」(62ページ)。
この言葉に触れたとき、思い出すのもつらいかつての出来事が、実は私自身が「本心」に近づくきっかけとなり、現在の頭痛外来を立ち上げるターニングポイントとなったことを痛感しました。
当時、脳神経外科医として多くの手術を手がけていた私は、「どのように技術を磨いて手術をすれば患者さんがもっとよくなるのか」ということに力を注いでいました。その一方で、手術が終わると、患者さんのその後の歩みよりも、気持ちは次の手術に向かっていたように思います。
しかしある日のこと、術後、落ち着いてよかったと思っていた患者さんの病状が急に悪くなったのです。痛恨の想いでした。
そんなときに、高橋佳子先生にお会いし、初めて「痛みは呼びかけ」という言葉に出会いました。患者さんの急変は、私にとって、まさに「痛み」そのもの――。同時に、医師としてのあり方を根本的に見直す「呼びかけ」だったのです。
もし、あの出来事がなければ、もっぱら脳の手術に関心を抱いていた私が、その後、手術になることは少ない頭痛治療に集中して取り組むことはなかったように思います。しかし、「魂の学」を学ぶ中で、頭痛に苦しむ多くの患者さんの姿が、これまでにも増して切実に迫ってきました。「患者さんの苦しみを少しでも楽にしてさしあげたい。そのために『魂の学』から見た新たな頭痛治療を模索してみよう」という想いへと導かれたのです。
今思えば、自分でも気づかなかった本当の気持ち=「本心」の一端に触れ、新しい人生の扉を開くことにつながった体験だったのではないかと感じます。
本書は、痛みや苦しみの渦中にあって、人生の新しいページを開きたいと願う方にとっての必携の書であり、医療者のみならず、すべての方に読んでいただきたい1冊です。

思い出すのもつらい患者さんの病状の急変。その痛恨の出来事を通して、自らの深奥に眠っていた「本心」を見出したとき、それまでは思ってもみなかった生き方へと導かれた山田さん──。その歩みは、本心という魂の声こそが、新しい自分を呼び出し、新しい現実を引き出す心であることを示しているのではないでしょうか。

(文責:三宝出版)