#
# #

人間が
物質の塊にしか
過ぎないとしたら
どうして自分や他人を
信じることができるだろう。

世界に
確かなつながりが
ないとしたら
どうしてそんな世界に
心を委ねることができるだろう。

すべてを「もの」と
受けとめる人生には
深い必然も理由も意味もなく
人は知らない間に
虚無の闇に呑み込まれてしまう。

人間を「魂」と受けとめるとき
絆が張り巡らされた世界を信じるとき
ニヒリズムの侵食に抗うことができる。
希望の未来を開くことができる。

高橋佳子

2022.2.24