時の羅針盤・262
時の羅針盤・262
流れを生み出す
高橋佳子
次なる因縁果報を始める
新たな年、2026年は、皆さんにとってどのような1年になるでしょうか。その兆しをすでに感じている方もいらっしゃるでしょう。
コロナパンデミックから始まった、この数年間の「まさかの現実」の連続──。時代が大きな変化の中にあることを、誰もが感じてきました。
ものごとの前提が変わり、常識が変わり、価値観が変わってゆく。やり方が変わり、生き方が変わり、何もかもが変わってゆく──。
迫り来る変化の波は、言葉を超える試練となり、困難な現実をもたらすことになります。それは、いかんともしがたい圧迫感、閉塞感を私たちに与えていると言ってもよいでしょう。わが国が多くの課題を抱え、厳しい未来が予告されていることも、その重圧を高めています。
そうした中で迎えた新たな2026年──。この1年は、皆さんにとって、どのような年となるのでしょう。あなたは、この新たな年に、どのような抱負を抱いて、歩み始めようとされているでしょうか。
大切なことは、私たちの時代がどのような重荷を背負っていようと、そしてわが国がどのような課題を抱えていようと、新たな始まりは、常に限りない可能性を秘めているという事実です。
この始まりには、いかなる限界も制約もありません。
あらゆる力と智慧が流れ込む時であり、あらゆる可能性が湛えられた場にほかなりません。 私たちは、この新たなサイクル(巡り)の中で、自らを因とした、新しい因縁果報(いんねんかほう)(*1)の循環を起こしてゆきます。それは、秘められたもの、隠れているものを、外の世界に現してゆくためです。私たちは、自らに託された青写真(*2)を現すために因縁果報を回すのです
新たな地水火風空の流れを生み出す
新たな時が流れ始めるときは、世界からの多くの助力を積極的に受けることが大切になってきます。
昨年、私たち1人ひとりが菩提心(ぼだいしん)(*3)を定めて取り組んだ「菩提心チャレンジ」(*4)──。それは、大自然が体現する智慧と力を自分の中に目覚めさせ、育んでゆく歩みでした。
先人は、大自然を形づくる要素を地水火風空という言葉で表してきました。それは、大自然を構成する元素、原型のようなもので、そこには様々な智慧と力が凝縮されていると考えられてきたのです。
それぞれのエレメント(要素)の内に蓄えられた個性あふれる智慧と力──。私たちが「12の菩提心」「12の光の心」として親しんできた、月、火、空、山、稲穂、泉、川、大地、観音、風、海、太陽にも、まさにそうした智慧と力が湛えられています。
私たちが「菩提心チャレンジ」を通じてめざしていることの1つは、これらの大自然のエレメントが抱く智慧と力を、私たち自身が自らの中から引き出し、体現することです。
私たちもまた、大自然に生きる者として、元よりこの地水火風空の流れを抱いているのです。人間は、自然と切り離されたものではなく、地球の子であり、宇宙の子にほかなりません。だからこそ、私たちは、宇宙・自然の力を引き出すことができるのです。
新たな年の歩みを始めることは、私たちの中から、新たな地水火風空の流れを生み出してゆくことです。私たちは、大自然が抱く智慧と力の流れを自分の中から取り出すことができる存在なのです。
一瞬一瞬に魂を込めて
私たちが生み出す新たな因縁果報、新たな地水火風空の流れ──。私たちは、自分が考える以上に大きな力を抱いている1人ひとりであり、智慧深く、精緻(せいち)で、壮大な流れを生み出すことさえできるのです。
あなたは、新たな年をどのような1年にしたいと願いますか。この限られた月日に、何を求め、何を与えてゆこうとするのでしょうか。
私たちが人生の時を愛するならば、その一瞬一瞬を最高のものにして生きてゆこうとするに違いありません。そのためには、「今、私は、本当の意味で、何を願い、何を求めているのか」──そのことを知り、まっすぐに応えてゆかなければなりません。
それは、訪れる出会いと出来事に、魂を込めて向き合い、最善の生き方を示してゆくことです。そのように生きる姿勢が新たな年を光に満ちたものにしてゆくことは、何よりも確かなことなのです。
2026.1.1
〈編集部註〉
*1 因縁果報
「因縁果報」とは、原因と結果の法則のことを言います。あらゆる現象は、その元となる原因(因)が条件(縁)と結びついた結果(果報)として立ち現れていると見るのです。つまり、この世界における一切の生成と消滅を司るエネルギーの流れを、3つの極で捉えるものです。この世界に、因縁果報の法則から外れる現象は何1つありません。森羅万象、あらゆる現実は、この原因(因)と条件(縁)から生まれた結果(果報)なのです。
(著書『魂主義という生き方』190~191ページより一部抜粋・要約)
*2 青写真
青写真とは、もともと建築や機械の設計図のことです。そこから転じて、ものごとの設計図、未来図を指すようになりました。私たちが実現することを求め、願っている現実の姿──。「魂の学」では、さらに、ものごとに秘められたイデア(理想形)、大いなる存在・神との約束という意味が込められています。
(著書『ゴールデンパス』136ページより引用)
*3 菩提心
「菩提心」とは、もともと仏教で「菩提=悟りを求める心」のことを指す言葉です。……私は、その精神を受けとめつつ、さらに広く、「菩提心」とは「本当の自らを求め、他を愛し、世界の調和に貢献する心」と定義したいと思います。「菩提心」は、自分を成長させ、完成させようとするだけでなく、それ以上に、その自分をはみ出して、他を想い、全体のためにはたらこうとする心なのです。……現在、私たちの時代が抱える巨大な問題──例えば、地球温暖化の問題でも、世界の貧困問題でも、格差社会の問題でも、究極のところ、この「菩提心」がはたらかなければ、本当の解決に向かってゆくことはできないのです。私たちの人生と世界が本当に輝くために不可欠のもの──。それが「菩提心」にほかなりません。
(著書『12の菩提心──魂が最高に輝く生き方』4~5ページより引用)
*4 菩提心チャレンジ
GLA創立55周年を迎えた2024年、「グローバル・ジェネシスプロジェクト(GGP)研鑽」30年の歴史の上に開講された「第31次記念GGP」、その年間テーマは「菩提心チャレンジ」──。2025年も引き続き、「菩提心チャレンジ」が行われています。「菩提心チャレンジ」は、各自が菩提心を1つ定め、自らの内に菩提心を育み、その菩提心を抱いて、現実の課題や問題、試練に向き合い、具体的に新たな道を開いてゆく挑戦です。