人生進化の3段階

「魂の学」のまなざしで見たとき、人生は、3つの段階を経て深まってゆきます。それは、「こうだったから、こうなってしまった人生」から始まり、「こうだったけれど、こうなれた人生」と続き、「こうだったからこそ、こうなれた人生」に至ることができるという魂進化の法則です。

第1段階の「こうだったから、こうなってしまった人生」とは、宿命（変えることのできない人生の条件）によって、不可避的に自動的につくられてゆく人生の段階です。

しかし、宿命に屈することなく、それを跳ね返し、多くの困難を乗り越えて生きる段階が、「こうだったけれど、こうなれた人生」であり、これが第2段階です。

さらに、宿命を跳ね返すだけでなく、その条件を背負わなければ気づけなかった生き方を現してゆくとき、人生はさらに深い次元に導かれてゆきます。人生の負の条件を体験したからこそ、それを本当の意味で乗り越える段階が第3段階の「こうだったからこそ、こうなれた人生」です。

たとえば、貧しさという条件の中で心を小さくし、被害者意識に満ちた人生をつくってしまうのは、第1段階です。しかし、貧しい生い立ちの中でも卑屈になることなく宿命を跳ね返し、努力して富を築き、ひとかどの人物になるというのは、第2段階です。さらに、貧しさの中で苦しんだからこそ、同じ苦しみの中であえぐ人々の痛みを受けとめ、後に得た富を還元する生き方が第3段階と言えます。

私たちは、宿命に呑まれるのでもなく、また宿命を跳ね返すことにとどまるのでもなく、宿命の中にこそ隠れている使命を見出して生きることができるのです。

出　典
『運命の逆転』p.250～p.256
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