


プロフィール:
靴製造会社の営業部チーフとして活躍し、多忙な日々を送っている酒井さん。しかし、以前、仕事上での大きな試練に遭ったことがあった。
その中にあって、一すじの道を開くことができたのは、GLAで学んだ体験と、厳しく彼を見守っていた上司の意外なアドバイスだった。
靴製造会社の営業部チーフ(課長補佐)として、取引先への営業活動や新規顧客の開拓など、エネル
ギッシュに仕事をしている酒井さん――。ある大きな試練を経験して、自分のことはもとより、課内や
会社全体のことまで見渡せるようになったと言います。そのとき、GLAで学んだ体験が大きかったそう
です。酒井さんに、仕事への取り組み方やGLAの魅力などをうかがいました。



仕事で心がけていることは、お客さんが何を求めていらっしゃるのか、じっくりと話を聞くことですね。今の時代、モノがなかなか売れない。そうした不安もお聞きしながら、その店ごとにどういう商品で進めていったらいいのか、自分が持っている情報で役に立ちそうなことがあれば「こういうことをやっているところもありますよ」などと話題にします。お客さんに、「この人なら大丈夫」と信頼していただいてから商売が始まるんですね。
また、靴屋だけではなく、たとえば病院などを回ってお医者さんや患者さんの目線に立ち、いろいろなお声もお聞きする中で生まれたアイデアを会社に提案し、それが商品化されて、広く使っていただいているものもあります。そういう「つながり」を大切にしています。
私は、会社で2つの大きな取引先を担当していたんですけれど、あるとき、その取引先が社外発注の見直しと削減を始めて、いつもなら注文がもらえる時期に全然来なくなり、1年で数千万円も売上げが落ちてしまったんです。
そうしたら、課長から、毎朝、顔を見るたびにきつい言い方で叱咤激励をされて――それが7カ月間ぐらいずっと続きました。それで、休み明けの月曜日はいつも憂うつで、月末は逃げるように外回りをしていました。
どうにもならないというときに、酒井さんは高橋先生の『あなたが生まれてきた理由』の輪読で、「自分が原因だった!」と気づかれ、自分の「言い訳リスト」を発見しました。
GLAの集いで、『あなたが生まれてきた理由』を輪読していたとき、「自分が原因なんじゃないか」って初めて思ったんですね。「仕事はほどほどにすればいい」と思い、事態が暗転したら「どうしようもない」「あれが悪い、これが悪い」と、「言い訳リスト」を上げ連ねている。自分は本当には努力していないことがはっきりわかったんです。それで、心の中の言い訳をとどめ、まずは「試練は呼びかけ」――マイナスの中でも自分が気づくべきこと、やるべきことがあると思い直し、事態に向かおうとしたんです。
そう思い始めたとき、課長がヒントをくれたんですよ、「こういうやり方があるぞ」って。私が言い訳をしなくなったら、いつもガミガミ言っていた課長が、すっと私の気持ちに入ってきたんです。実は、課長は、「私のことを見ていてくれていたんだ」って、初めて課長の気持ちがわかり、感謝しました。
それまでは、自分が売上を落としていることが、会社全体に影響を与えているってこともあまり考えていなかったんですね。そのことに気づいて、「売上が落ちた分は何とか埋めていこう」と思って積極的に動いてみたら、その後、どんどん注文が入るようになり、一気に売上が回復していったんです。


「GLAのプロジェクト活動が本当に好き」という酒井さん。
プロジェクトで得たものが、現在の仕事に大きく役立っているそうです。
私にとっては、何と言ってもGLAのプロジェクトが大きかったですね。皆が日常の立場や地位を離れて一人の人間として出会い、絆を深めながら切磋琢磨し合うというプロジェクト体験があったからこそ、会社の仕事でも、「みんなで共に」って、つながりを大切に思えるようになったと思うんです。
仕事で、たとえ嫌われても「ここは、言うべきことをちゃんと言っておかなくては」とか、「この人は誤解しているかもしれない」って思ったら、すぐ聞き直して確認し合うとかができるようになりました。そうやって、徹底した共有ができているかを確認することも、プロジェクト活動から得たものなんです。
また、どこかにへこんでいるところがあれば埋めようと思うし、「個」ではなくて「面」で考えるようになりましたね。最初は自分の変革のために始めたんですが、次第に課や会社全体のことも考えるようになってきました。「本当に楽しく仕事ができる、元気な会社になったらいいなあ」と思えるようになってきたんですね。


実はこの間、昇格したときの話なんですが、人事の面接で、「この1年であなたはどこが変わったと思いますか?」と質問をされたんです。そのとき、思わず「失敗を他人のせいにしなくなりました」って言ったんですよ。そうしたら、同席していた部長がすごく納得して、「本当にそうだな」って言ってくれたんです。今では、部長も高橋先生の本を読み、「酒井君、GLAの活動がすごく仕事に役立っているだろう。みんなにも話をしてあげてほしい」と言ってくれるようになりました。
また、朝礼で「面接で、言い訳をしないっていうことを言った人がいる。ほんとうにそう生きられたらいいね」っていう話をしてくださって、その後、皆が「あ、また言い訳を言っちゃった」「言い訳しないって難しいな」なんて言ったりするようになりました。
私自身、以前は「あそこが駄目だから」「うちの会社がこうなんだから」と言い訳をして、自分から積極的に努力をしなかった。でも、そういった自分の姿勢に気がついてから、「今はこうだけど、こんなやり方もあるじゃないか」と、新しいやり方を探しながら仕事ができるようになってきたんですね。やっぱり、GLAでの鍛錬があって、自然とやれるようになってきたのだと思います。
自分が変われば会社も変わる
今、酒井さんの会社は、皆が互いを補い合う風土になりつつあるそうです。社員の誰かが大変な思いをしているときは他の人がそれをサポートし、ある課が大変なときは他の課が応援する。それが当たり前のようになってきている、とのこと。
酒井さんの場合、「この失敗を起こしたのは、自分なんだ」と思い定め、自分に出来る努力を始めたところから解決策が出てきました。「原因は自分にある」と事態を引き寄せるところから道は開かれてゆく。自分が変われることによって、まわりも変わり始めるのです。